親知らずです

  1. 親知らずは抜くべきか
  2. 親知らずをどこで抜くか
  3. 抜いた後の痛み
  4. 考察


1.親知らずは抜くべきか

 

奥歯の痛みを我慢して「親知らずだったら、どうしよう」と悩む。また、歯医者に来て「あ、親知らずですね」と言われて「うわー親知らずですか!」とショックを受ける人は多くいます。身近な人から脅されて恐怖している方も多いでしょう。

では、「親知らず」とは、何故そんなに嫌われるのか、それは「痛い」「抜くのが大変」「腫れる」などのイメージがあるからだと思います。しかし、全ての親知らずがそうではありません。

○場合によっては、歯を抜かなくてもいい親知らず

  • 歯が真直ぐ生えていて、小さい虫歯(神経を取るものも含む)
  • 歯がナナメに生えていて、手前の歯を抜く事で親知らずが生えて来る場合
  • 将来的に入れ歯を支える歯として使える、またはブリッジの土台として使えそうである。
  • 等等 ケース バイ ケースです。

どうしても抜きたくないのなら抜かずに済まないか歯医者さんに聞いてみましょう。しかし、

  • 歯が横向きに生えていて、手前の歯を押していて痛い(噛むと痛い)
  • でっかい虫歯、または重度の歯肉炎、歯槽膿漏

など、抜くしか無いものもあるのも事実です。

痛んだら放って置く前に歯医者さんに行って抜かずに済まないか相談してみましょう。

虫歯が小さい内なら抜かずに済む事も多いのですから。

 

2.親知らずをどこで抜くか

 

親知らずをどこで抜くか。歯を抜く、入れ歯を作るのは歯医者の腕の差がもっとも現われるものです。ここでは、大学病院がいいのか、一般開業医がいいのか、について考えます。

一般開業医の場合:歯を抜いた後「抜いてもらった」と言う患者さんは、あまりいません。たいてい、「抜かれた」といいます。歯医者がどんなに痛くない麻酔をして、痛くなく歯を抜いたとしても、「抜かれた」「麻酔がきれた後痛かった」といいます。評判を気にする一般開業医にとって、歯を抜く事程、一生懸命やって損する仕事はありません。「この親知らずは大変だから病院を紹介するよ」と言って紹介料貰うほうが経営からみてプラスなのです。親知らずが横かナナメに植えていて抜いてくれる歯医者さんは、患者さんが病院にいかずにすむ様に勉強している努力家の歯医者さんなのです。また、評判を気にするので、なるべく腫れない、なるべく痛くない。を考えて抜いてくれます。

大学病院の場合:大学病院では一日に難しい親知らずを何本も抜いているプロフェッショナルがいます。安全、確実を考えるなら大学病院の先生もいいでしょう。ただ、大学病院の先生は安全、確実を考えていますから、「なるべく小さく切って腫れない様にしよう」とはあんまり考えていません。「でっかく切って、確実に抜く」人がほとんどです。たいてい腫れますし、痛いでしょう。

どちらがいいか、自分で考えて下さい。

 

3.抜いた後の痛み

 

「昔、親知らずを抜いたケド痛かったよ〜」と、あなたをオドス周りの方々の意見は殆どが「抜く時」ではなく、「抜いた後」の話です。抜く時に痛いのならば麻酔を足して対応できますが、抜き終わって家に帰った後、麻酔が切れてからの痛みは痛み止めを貰って飲んだものの、あんまり効かないとか何日も痛みが続くとかがイメージとして残っていてあなたをオドスのです。

実際、素直にまっすぐ生えている親知らずでも、抜いた後には顎の骨に小指の先ぐらいの穴が明く訳ですから、まったく痛くない訳はありません。ただ、質問でよく頂くのは「こんなに痛いのは異常なのでは?いやいや、歯医者がヤブだったのでは?」というものです。

一応目安としては

楽な方から↓

  • 上のまっすぐ生えている親知らず
  • 上の埋まっている親知らず
  • 下のまっすぐ生えている親知らず
  • 下の埋まっている親知らず

↑が大変な方になります。(上の深く埋まっている親知らずが何より大変だという歯医者さんもいます)

中には「痛み止めを飲む程じゃなかったですよ」とい方から「何週間も痛かった」という場合があります。ただ「痛かったからその歯医者はヤブだ」じゃあ歯医者はカワイソウです。もちろん腕もありますが、腕の良い歯医者でも腫れて痛みが長くでる事はままあるからです。

1.血が止まらない

止血しにくい病気でない限り血は止まるものです。でも、ずっと血がでている場合は傷口を刺激する事が何かあるという事なんですね。つまり食べ物が当たるとか、舌が触るとか、血の味が気になってうがいをする、つばを吐く、傷口が治ったか気になって触る、すべて血が止まらなくなります。基本的には何もしないのが良いのですが、ど〜しても気になるならハンカチ等(ティッシュはダメ)を丸めて噛んで血を止めてください。紅茶の成分は止血作用があるらしいのでティーバッグを噛んでも良いでしょう。

2.腫れる

下の親知らず結構腫れやすいです。なるべく腫れない為には冷やすのが得策ですが、できれば腫れる前に冷やした方が効果があります。かっこ悪いなぁと思うので早く治したいと思うのですがこれはいづれ治りますから気長にまちましょう。腫れ止めの注射もありますが芸能人でもなければ打ってくれません。

3.痛い

2日くらいは痛みますって。その後も触ると痛いのはあるでしょう。痛み止めを飲んで冷やしたり安静にしている事で多少はおさまりますがズキズキ痛いのが長く続く場合はドライソケットと言って骨が炎症を起こしているかもしれませんから歯医者さんに行って診てもらいましょう。ただこれもいずれ治ります。

私自身、学生時代に親知らずを抜いて舌の神経が半年ばかり麻痺しました。味覚も触覚もない状態でしたが、抜いてくれた歯医者さんをヤブだとは思いません。それは私に少しばかりの知識があったのと抜いてくれた歯医者さんを信頼していたからです。今、自分でその時のレントゲンを見たら自分じゃ絶対抜きたくない症例ですからね。

 

4.考察

 

「歯を抜くの大好き」という患者さんがいない事は歯医者ならみーんな知っています。抜くのが大変な歯を抜いてあげても患者は「痛かった」「腫れた」だのいいます。

なのに、抜いてくれる歯医者さんは、きっとイイヒトなのです。

「右は痛くなかったのに、左は痛かった」だの言っても歯はそれぞれ違うので意味ありません。

歯医者をやっていて歯を抜きたがる人は居ないでしょう。

もし抜いてもらうなら、痛くても腫れても感謝しましょう。もし、腕がどーのこーの言うなら、大学病院に行きましょう。それが、金にならない親知らずをヒーヒーいいながら抜いてる作者の考えです。