歯ブラシ選びの基本的なお話

 

よくメールや掲示板の書き込みに「良い歯ブラシはありますか?」とか「オススメの歯ブラシを教えてください」という質問をもらいます。

実際、歯ブラシには機能、安全性などの面で日常生活用品としての基準が設けられていて規格として

  • 日本工業規格(JIS)
  • 家庭用品品質表示法
  • 国際標準化機構(ISO)

等があり昭和42年 厚生省「歯口清掃の手引き」が出され、ほとんどのものが条件を満たしています。

ですから、「これはヒドい!」という歯ブラシはあんまりありません。

 

しかし、自分の年令、歯口の状態から適切なものを選択する事が大切です。

ポイントとしては

という事ですが具体的には

が良いでしょう。

御自分の歯ブラシが大きすぎる場合は毛をハサミで切ってしまいましょう。

普通のハサミでは根元まで切るのは難しいですから裁縫用や眉毛切り用などの

小さいハサミを使って切りましょう。

電動歯ブラシの場合

電動歯ブラシに関しては歯ブラシの選択と重なる部分も多いのですが機械的に清掃するので毛のかたさは「やわらかめ」のものが良いと思います。

電動歯ブラシは、今でこそ「歯ブラシよりも磨ける!」みたいなCMが氾濫していて患者さんでも使っている方が増えました。

しかし、元々は技術の習得が困難な老人、病人、手の不自由な人の為にできたのが始まりです。電動という事で、モーター等の力を利用して通常の歯ブラシでは不可能な動きをしますから手用にくらべて1/3の時間で同程度磨けるそうです。

また一部粗悪な商品があることも事実です。電動歯ブラシにも毛先の動きに様々なタイプのものがあり、粗悪なものでは、磨きにくいところが磨けず、歯の表面を削り、歯肉を傷つけるものも多くあります。機械的な動きがありますから、操作に留意が必要で、正しい使い方をしなければ、手用の歯ブラシ以上に歯や歯茎を傷つけてしまいます。強く押し付けないで磨く(といって弱いと全然磨けません)、歯磨き粉の量を多くしない等の注意が必要です。

電動歯ブラシだから手用の歯ブラシに比べて歯磨きが楽になるとは言えないのです。やはり道具である以上、歯ブラシと同程度に使いこなす必要があります。基本的には歯ブラシの磨き方に準じるでしょう。

「電動歯ブラシならば良く磨けるだろう」というのは間違いで、良い電動歯ブラシで、正しい磨き方をしなければ、手で磨く以上に早く歯を傷めてしまいます。

電動歯ブラシの購入を考えているならば、何種類かの製品を比べて、単に値段だけで判断しないようにしてください。

また、手用歯ブラシと同じく磨いた後は、水洗、乾燥が大切です。

磨き型による歯ブラシの選択

方法

対象

毛のかたさ

植毛

ローリング法

小児

ふつう〜やわらかめ

やや密毛

水平法

小児

ふつう〜やわらかめ

やや密毛

スクラビング法

一般

ふつう〜やわらかめ

やや密毛

フォーンズ法

生え代わり小児

ふつう〜やわらかめ

やや密毛

バス法(他法と併用)

一般

やわらかめ

細く密毛

一歯ずつの縦磨き法(IVM)

磨きにくいところ

ふつう〜やわらかめ

やや密毛

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