はじめに

30年以上も生きてきて初めて入院なんてものをしてしまいました。

いつも訪問診療で行っている病室に自分が寝る事になってしまたのです。

非常に不思議な気分なのですが、まぁ初めての事はなんとなくドキドキするもので、元来、「動いてないと死んでしまう病」にかかっている私としては、退屈は死ぬ程辛いのです。

幸いパソコンの持ち込みがオッケーでしたのでDVD見たり、音楽聴いたりしてなんとか自分をごまかしている中、日記も書いてみました。

あんまり医療関係者の入院日記って感じじゃなくて、ただのエッセイっぽいので、暇な方は読んでやってください。

1日目 (11月6日火曜日) 風邪かしら?

この曜日は訪問診療のある日です。毎週火曜日は病院に入院されている患者さんの所に行ってしか治療を行うのです。

まぁまぁ混んだ午前中の診療を終え、午後の2時からは訪問診療です。

昼御飯を食べ終わったあたりから、右の扁桃腺と右の顎下リンパ節が痛くなってきました。

「ヤバ、風邪をひいたかな。」と思って診療所にある抗生物質と消炎鎮痛剤を飲みました。

「これ効かないのよねぇ。」なんてスタッフが言ってます。

まぁ今日明日がんばれば木曜は休みだし、もうちょっと辛抱辛抱って事で訪問診療に出発しました。

大体、20人前後の患者さんをみて、病院でPL(総合感冒薬)をもらって飲み、午後の5時頃に診療所に帰ってきました。

この頃になると左の脇腹のあたりが痛み出しました。大きく息を吸えないし、姿勢を変えると痛むのです。

「風邪からくる神経痛だろう」と思って、また抗生物質と消炎鎮痛剤を飲みました。

診療は30分程オーバーして、この頃になると脇は激痛になってきたのですが、

「栄養とらんとダメやね、風邪は。」って事でかりんとうやらおせんべいやらを食べました。

家に帰ってきました。駐車場から家までの距離を歩くのもつらかったので、家の前に路上駐車しました。

軽く風呂にはいって、嫁さんの作ったなべやきうどんを食い、早々と寝ようとしたら横になると激痛なのです。

どんなに体勢を変えてみても痛みは治まりません。耐えられずに起きて様子をみましたがあんまり楽にもならず

しようがないので、「もう一度風呂に入ってマッサージするべか」と風呂に入りました。

風呂から出て、嫁さんの焼いたケーキを麦茶で飲んで、また薬を飲みました。

この頃になると座っていても激痛なのです。しかたがないので座椅子を布団に持っていきナナメの体勢で寝る事にしました。

30分〜1時間くらいごとに激痛でめを醒まし、夜の3時になると立っていても声がでる程の痛みです。

嫁さんが声に気付いて起き出して「病院に行く?」ときくので行く事にしました。

近くに住んでいる義理の母に電話して、子供を見ていてもらって病院へ。

急患で行きましたが、先に救急車の患者さんがいて1時間も待たされました。この間は地獄です。

よっぽど病院から救急車を呼ぼうかと思いました。

いよいよ診てもらったら「腎臓結石の可能性が高いと思う」といわれ、座薬の痛み止めを貰って嫁さんに挿入してもらいました。

それでも、楽にはなりません。医者が「となると後は麻薬みたいな痛み止めの注射しかないけど...」というので打ってもらいました。

嫁さん(元看護婦)によると全身麻酔をする際の導入に使うものみたいで、腕の筋肉注射は痛いものの大分痛みは和らぎました。

しかし、これは眠くなる。とはいえ今日は殆ど寝ていません。嫁さんに

「エコーは8時からになるらしいから、家に帰っていいよ」と言って眠りに尽きました。

明日の診療は午前中、休ませてもらうつもりでした。

次の日へ続く